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「自分の仕事」を考える3日間

今年も行ってきました、はるばる奈良へ

「自分の仕事」を考える3日間

早朝、電車から見た朝焼けがとってもきれいで、いい一日を予感させました。

去年は3日間参加の皆勤賞(笑)今年は一日目のみの参加となりました。

ホールアース自然学校創設者の広瀬敏道さん
作家、建築家の坂口恭平さん
アドボカシーの川口有美子さん


3名の方のお話をうかがうことができました。
それぞれのプレゼンテーションの後には、ファシリテーターの西村佳哲さんのインタビューや参加者の方たちとのシェアリングタイム、質疑応答など盛りだくさんの内容で、もうお腹いっぱい!

今回どうしても聞きたかったのが、川口有美子さんのお話でした。ロンドンに住み駐在員の妻として、二人のこどもの母として、何の不自由もない豊かな暮らしを満喫していた川口さんの元にかかって来た一本の電話・・・それは、母が難病ALSであるという告白でした。その後、お母さまの看病のため、ロンドンでの生活を引き払い、実家での介護が始まります。否応なく、運命に巻き込まれていく川口さん。

私自身も家族の病気によって大きくその後の人生が変化した経験があるので、とてもひとごととは思えず、その先の見えない暗闇や絶望感がひしひしと伝わって来ました。

それでも、川口さんはALSの母の介護をきっかけに社会に飛び出していきます。その辺りは著書「逝かない身体」にも書かれているので、ご興味のある方はぜひ、手にとってみてください。

これ以上どうしようもない、にっちもさっちもいかない、八方ふさがりの中から、自分の道を見つけ出すまでの孤独や不安・・・それを乗り越え、介護事業所を立ちあげるまでの様子にこころ打たれます。

仕事を選ぶ、仕事を探す、とよく言われますが、その選択肢さえも与えられず、ただやって来た運命の波に乗ることでしか、次への道が開けないという極限状態でも、ひとが生きる意味を見出してゆくことは出来ます。川口さんのお話はこころにズンと響き、まだちょっと受け止めきれてない感じがします。

ALSは全身の動きが奪われる病で、ALSの末期になると言語を使ったコミュニケーションができなくなります。このような場合は、わずかに動く筋肉や眼球の動きを使って、自分の意志を伝えることになります。川口さん母子のコミュニケーションも病気の進行とともに変化の一途をたどっていきます。

もともと言葉を使わない非言語コミュニケーションに興味があって、川口さんのことを知ったのですが、たとえ自分で食事を取れなくても、自分で歩けなくなっても、どのような肉体の状況に置かれても、人間の尊厳、生きる意味というものは存在している。生きている、そのことだけで十分なんだという、生きるための哲学を川口さんから教えていただいたように思います。

「介護している人の感性が温かく、敏感だったら、どんなに重い障害であっても、その身体や心が発信したものを受信できる」という川口さんの言葉がこころに残りました。

今年で最終回の「自分の仕事」を考える3日間・・・去年、今年と参加してみて、本当に内容が濃く、充実した時間を過ごしました。この場を通じて、いただいたご縁もあったりして、ひととのつながりの不思議さも感じます。

ああ~来年もやってほしいな~^^

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by kiraribodywork | 2011-01-09 18:33 | 日々のこと
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